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診療案内

医療イメージ

鼓膜閉鎖術~人工鼓膜~

耳の診察

鼓膜は耳の奥にある厚さ0.1mm、直径約1cmの透き通った薄い膜で、耳たぶから約3.5cmの深さにあります。鼓膜を耳かきで破ってしまったり、中耳炎で耳から膿みが出たりすると鼓膜に穴があき聞こえが悪くなります。鼓膜が破れてしまっても、鼓膜にできた穴は普通、数日から数週間で自然に塞がって治る場合がほとんどです。

しかし、中耳炎を何度も繰り返したり、破れた鼓膜の穴が大きかったりすると破れた鼓膜はきれいに治らない場合が多いため、鼓膜に開いた穴を一時的に塞ぐことで回復を促す必要があります。

このように、破れてしまった鼓膜を覆って回復を促す時に使う薄い膜のことを人工鼓膜と呼んでいます。人工鼓膜による治療の実際は鼓膜の大きさに丸く切った人工鼓膜を鼓膜の表面に貼り付けて鼓膜の穴を塞ぐだけです。数分で出来る簡単な治療なので、鼓膜に穴が開いたと思ったら早めに耳鼻咽喉科医にご相談ください。

いびきを治す~睡眠時無呼吸に注意~

注意した方がよい「病的いびき」の見分け方と、いびきの治療法についてご説明します。

いびき

・眠って息が止まる

たまにかくいびきなら問題はありませんが、毎晩大いびきをかく、急にいびきをかくようになった、子供なのにいびきをかく、大いびきの後に突然止まるエンスト型のいびき、などには注意が必要です。特に睡眠中に何度も10秒以上にわたって息が止まる場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と言う病気が考えられるので医療機関での検査と治療が必要です。

こういった「病的いびき」は中年男性に多く、中年男性の1~3%の人に睡眠時無呼吸があると言われています。

・原因と体への影響

いびきは呼吸する時におきる雑音で、鼻からのどが異常に狭くなると呼吸困難になり「病的いびき」がおきやすくなります。原因としては、蓄膿症・アレルギー性鼻炎・鼻中隔弯曲症などの鼻の病気、アデノイド肥大・扁桃肥大・軟口蓋の異常などの咽頭の病気、小顎症・口蓋裂のような形態異常、肥満や短頚などの体格、内分泌異常・脳疾患・神経疾患のような全身疾患、まれに咽頭癌などが考えられます。

いびきがひどく睡眠時無呼吸になると酸素不足を来し、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、不整脈などの誘因となります。また、不眠、昼間の居眠り、注意力低下などから仕事を解雇されたり、交通事故を引き起こすこともあります。子供の場合、胸の骨が陥没変形する漏斗胸になったり、遅刻や学業不振の原因になることもあります。

・検査と治療法

まずは外来で鼻からのどにかけて異常がないか診察し、次に1・2泊入院し睡眠中にいびき専用の検査機器を使い、呼吸回数・いびきの大きさ・血液の酸素量・脳波・心電図などを計測、睡眠状態をビデオ記録して「病的いびき」かどうかを判定します。いびきにとって肥満は大敵です。肥満の人は運動や食事療法で標準体重の20%超以下まで減量しましょう。寝る姿勢も大切ですから、枕や寝具を工夫して仰向けで寝ないようにします。軽いいびきでは口にテープを貼り鼻呼吸するだけでも効果があります。

病院で行なう治療を紹介します。鼻やのどに異常がある場合には鼻腔整復術、口蓋扁桃摘出術、口蓋弓形成術(UPPP)など必要な手術を耳鼻科で行ないます。軽度から中等度のいびきでは、のどが広がる歯列プロテーゼを噛んで眠る治療法もあり歯科で行なえます。重症で睡眠時無呼吸がある場合には、鼻マスクを着け機械で呼吸を補助する経鼻的持続性陽圧呼吸(CPAP)療法があります。いびきがひどい方は専門医にご相談ください。

​舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)

喉の診察

アレルギー性鼻炎の治療には、主に、これまで対症療法の薬物療法(内服 、点鼻) や手術療法(レーザー手術 や下甲介切除術など)が用いられてきましたが、2014年から舌下免疫療法が始まりました。
100年以上前から、アレルギーを引き起こす原因物質(抗原=アレルゲン)になっているハウスダストやスギのエキスを少しずつ皮下注射して体を慣らしていき、アレルギー症状が出ないように体質改善する治療法(アレルゲン免疫療法)がありました。この皮下免疫療法は定期的に病院に通って皮下注射する必要があったため、なかなか普及していませんでしたが、近年になって治療エキス薬を舌の下に自分で入れる「舌下免疫療法」が始まって、注射する必要がなくなり、自宅で簡単に治療できるようになっています。
副作用に注意しながら3年から5 年間続けると7割近くの人々で効果が認められており、幼稚園児や小学生でも治療を開始することができますので、ご相談ください。

鼻中隔湾曲症

鼻をつまむ男性

左右の鼻のあなを分けている壁を「鼻中隔(びちゅうかく)」と呼んでいます。この鼻中隔は、正常の人でも左右どちらかに曲がっていますが、弯曲が僅かなため、鼻づまりを起こすことはありません。ところが、鼻中隔がひどく曲がっている人は、左右どちらかの鼻だけが年中つまっていることがあります。

このように鼻中隔が曲がっていることで起こる病気を「鼻中隔弯曲症」と呼びます。鼻中隔弯曲症は鼻中隔の中にある軟骨が曲がっているために起こります。この鼻中隔軟骨の異常は、顔の骨が発育する思春期に、鼻中隔の中にある軟骨の成長と顔の骨の成長とが、アンバランスになり起こります。

鼻中隔の構造は、粘膜と粘膜の間に軟骨がサンドイッチされた状態になっています。粘膜の間に挟まっている軟骨だけを手術して取り除くことによって鼻中隔湾曲症を治療することができます。鼻中隔弯曲症にアレルギー性鼻炎や蓄膿症を合併していると鼻づまりが起こりやすいので、鼻づまりが続く場合は早めに耳鼻咽喉科医にご相談ください。

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